ソーシャルレンディングにまつわるリスクを真剣に考える。

ソーシャルレンディングに存在するリスクその1【延】

ソーシャルレンディング事業者が組成するファンドに出資したお金は、ソーシャルレンディング事業者が自らの固有の事業にそのまま使用するわけではありません。
ソーシャルレンディング事業者と投資家との間の契約は、金銭消費貸借契約ではなく、ソーシャルレンディング事業者が組成したファンドへの、出資契約です。

では、出資されたお金はどこへいくか、というと、
ソーシャルレンディング事業者を通じて、別の第三者事業者に対し、貸し出されていきます。
このとき、ソーシャルレンディング事業者は、貸付先企業との間で、金銭消費貸借契約を締結します。

そして、借り手企業がソーシャルレンディング事業者に対して、キチンと事前の約束通りに、お金をかえしてくれれば、万事OKなわけですが、
そうではなく、借り手企業が、ソーシャルレンディング事業者に対する返済を遅らせるようなことがあれば、
その影響で、ソーシャルレンディング事業者から投資家への分配にも、遅れが生じます。
このトラブルが、ソーシャルレンディング投資の「延滞」にあたります。

事実、国内の複数のソーシャルレンディング事業者において、ファンドの延滞が、発生しています。
なかには、大量のファンドで、延滞を起こしてしまっているソーシャルレンディング事業者も、存在します。

今からソーシャルレンディング投資を始める、という方が、肝に銘じておくことが必要な事実として、
ソーシャルレンディング投資において、延滞に巻き込まれるリスクは、決して、小さなものでは、ない、ということです。
誰にでも、起こり得るトラブルなのだ、ということを、
よく、理解しておく必要があります。

ソーシャルレンディングに存在するリスクその2【元本棄損】

散々延滞した挙句に、ようやく元本が返ってくると思ったら、
大幅な元本棄損をすることとなった、というケースも、
ソーシャルレンディング投資の場合、可能性論として、決して否定出来る物ではありません。
時折、
「不動産担保付きなら、元本棄損リスクは小さい」
等とする言説を、ネット等で、拝見する機会がありますが、
僕の個人的な考え方としては、それには、賛同しかねます。
たとえ不動産担保付きであっても、
そもそもの担保評価が甘かったり、市況が悪かったりすれば、
元本割れは、十分にあり得ることです。

ソーシャルレンディングに存在するリスクその3【全損のケース】

想像すらしたくないかもしれませんが、
ソーシャルレンディング投資をする以上、覚悟しておく必要があるのが、
この、「全損」リスクです。
元本の全額が棄損してしまう、というケースですね。
まず、無担保・無保証タイプのファンドの場合、全損発生は、十分に、あり得ます。
そして、不動産担保付きのファンドであったとしても、
従前の担保評価が大甘であった場合や、ソーシャルレンディング事業者自体が不正を働いていた場合などにおいては、
同じく、全損の可能性が、否定できません。